【印象的な書き出し】愛する人を失った精神科医による復讐劇!「私の消滅」作品紹介

小説紹介

はい、こんにちは。キザメです。

今回は、

中村文則さんの「私の消滅

を読み終えましたので、

紹介させていただきます。

 

この作品は、

書き出しが印象的という話を聞きまして

手に取ってみましたが、

なかなかに重たい内容で、

それでいて、登場人物の心情に入り込みやすい内容になっていたので、

読了感としては、心にモヤモヤが残る感じでした。

 

この後の感想を読んで、

気になったという方は、ぜひ読んでみていただきたいですが、

正直、万人には勧めにくいですね(;’∀’)

 

それでは始めていきましょう。

あらすじ

「先生に、私の全てを知ってもらいたいのです。

私の内面に入れますか」

心療内科を訪れた美しい女性、ゆかり。

男は彼女の記憶に奇妙に欠けた部分があることに気付き、

その原因を追い始める―――。

傷つき、損なわれたものを元に戻したいと思うことは

冒涜なのか。

Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した傑作長編小説。

本書裏表紙より引用
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感想

このページをめくれば、

あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。

 

こんな書き出し、読んじゃうよね。

「えっ?読んでいいの??これ」

って思ってしまいました。

まあ、読むんですけど(笑)

 

この一文は、作中に登場する手記の冒頭の一文です。

 

この作品は、

「僕」小塚亮大という人物に

なり替わろうとしており、

その小塚が書いた手記を読むところから始まります。

 

序盤は「僕」のモノローグと手記の内容が

交互に展開されていきます。

 

どうやら、

小塚という男の幼少期は

母親の再婚相手家族との関係かうまくいかず、

寂しい思いをしてきており、

その中で、段々と倒錯した「性」を

芽生えさせてきたことが伺えます。

一方、「僕」小塚という男を知っていきながらも、

この手記の文末に書かれた言葉

―――まるで自分に向けられているかのような言葉―――

に違和感を持ち始めます。

 

そうこうしていると、「僕」のもとに

見知らぬ男がやってきて

「僕」のことを小塚亮大だと思って

連れて行こうとします。

何を言っても聞く耳を持たないその男に連れていかれたのは

とある病院。

 

そこで、とある医者と話をするが、何だか要領を得ない。

話が終わると、一人の患者を紹介される。

精神に異常をきたしたかのような所作を見せるその男こそが

小塚亮大だという。

 

「僕」も読者も置き去りの展開の中、

「僕」の回想シーンへ移行し、

心療内科医だった「僕」と患者だった「ゆかり」

との出会いが話されていく。

 

 

実はここまでで、本書の1/3は終わっているのですが、

何が何だかですよね(;’∀’)

 

ここから先は、

「僕」「ゆかり」の物語が展開されていきます。

 

精神分析という治療を経て

ふたりは親密になっていくのですが、

そこで、ひとりの精神科医が関わってきます。

その人は、

「ゆかり」の前医であり、

「僕」が幼少期に治療を受けていた医者でした。

 

そして、精神科医の戯れとも言えそうな、

ある細工によってふたりの人生は崩壊していくのです。

 

記事のタイトルでも匂わせていますが、

結果的に「ゆかり」は自殺してしまいます。

最終的には、

後に真相を知った主人公と

この精神科医との間での復讐劇という構図となっていくのですが、

この復讐の仕方

前述の戯れ

精神科医ならではと言える手法で

正直なところ、「精神科医怖いわー」 

と思ってしまうものでした。

 

加えて、この物語における「僕」というのが

正確には複数人介在しているため、

何度も頭がこんがらがりそうになりながら読みました。

「 正確には・・・・ 」というのも、

この復讐の手法に関わってきます。

 

正直、今この記事を書いていても、

全然伝えきれてないんだろうなという感じなので、

申し訳ないですが、

本作を読んでいただいた方が早いかもしれないです(>_<)

 

幸い、200ページに満たない作品なので、

すぐ読めると思います。

 

登場人物の内面に迫る内容なので、

物語に入り込んでしまう人は注意が必要かもしれませんが、

ぜひ読んでみていただいて、

精神科医ならではの、戯れ復讐というものに

触れてみてください。

終わりに

ここまで、

中村文則さんの「私の消滅

を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

改めて、現実に人の思考や行動を

操作することができるのだとしたら

ガチでヤバない?

と思ってしまっていますが、

逆に精神科の治療などに

興味を持ってしまっている自分もいたりします。

 

まあ、それはさておき。

この本を読もうか迷っている人は、

とりあえず書店でこの冒頭の1文の

引きの強さだけでも味わってみてください。

多分、引き込まれちゃうと思うので(;^ω^)

 

作者ではないですが、感想をお待ちしております。

 

このブログでは、この他にも小説の紹介記事を書いています。

キザメが2022年に読んだ本から選ぶオススメ小説5選!
早いもので、2022年も終わりが近づいてきました。そこで、今年私が読んだ小説の中からオススメしたい作品を5作品紹介していきたいと思います。本当は、10選くらいやりたかったのですが、今年はそこまで冊数を読めなかったので、今年は5冊で行きたいと思います。一応各作品を紹介した記事も貼り付けておくので気になる方はそちらも読んでいただければと思います。

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今回はここまで!

ありがとうございました。

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