はい、こんにちは。キザメです。
今回は、
背筋さんの「近畿地方のある場所について」を紹介していきます。
X上でよく見かけた本作ですが、
なんとも歯切れの悪い紹介が多く、
逆に気になってしまい手に取った次第です。
読了した今となっては、それも納得と言わざるを得ない作品でした。
詳細は本文で…。
それでは始めていきましょう。
あらすじ
はじめまして。背筋と申します。
この本に収録されている様々な形式の文章は、オカルト雑誌に掲載する特集のために、ライターの私と、編集者でもある小沢くんの手によって収集されたものです。
それらは、近畿地方の「ある場所」に関連した文章です。
私たちは、「ある場所」に潜む怪異の存在に気付きました。
そして、調べを進める中で小沢くんが消息を絶ってしまいました。
私は彼を捜しています。
どうか皆さんこの本をお読みいただき、情報をお持ちの方はご連絡ください。
本書帯裏面より引用
見どころ
「見つけてくださってありがとうございます。」
この言葉は、
「あらすじ」で書いた文章と併せて
帯に書かれている言葉です。
実際のフォントはもっと滲んだ感じで、
不気味さを感じさせます。
この時点で、すでに物語の世界に引き込まれていくのを感じました。
小沢くんに一体何があったのか…
この言葉の意味とは…
さて、内容の話に移っていきましょう!
この作品の構成は中々特殊で、
冒頭から、とある雑誌に掲載された記事が2つ書かれています。
1つはネットに書かれた可笑しな書き込みについての記事で、
もう一つは少女が行方不明になったとある事件についての記事です。
一見無関係なこれらの記事を読み、
「何だこれは?」
と思ったところで、
『私』こと背筋さんの語りが始まります。
簡単な自己紹介の後、
友人である小沢くんが行方不明となっていて、
彼を探して欲しい!情報を提供してほしい!
そんな動機でこの作品を書いている
ということが語られます。
小沢くんは新人編集として、とあるオカルト雑誌の編集を任され、
以前より知り合いだった私に記事の執筆を依頼します。
そして、テーマとなる話を探している中で、
「近畿地方のとある一帯」
にまつわる出来事を多く目にしたため、
そこに関する特集を組んでいくこととなっていきます。
そう!
最初に書かれた2つの記事、
これもその「近畿地方のとある一帯」
に関する記事だったんですね(゚ω゚)
このような経緯で
「近畿地方のとある一帯」にまつわる話を調べていくことになった『私』と小沢くん、
2人のやり取りの間に、
記事だったりネット掲示板への書き込み、
読者からの手紙、インタビューの文字起こし、
などといった様々な形式で書かれた
「近畿地方のとある一帯」にまつわる話が挟み込まれていく形で物語は進んでいきます。
そして、
核心に迫っていく中で、
小沢くんが現地へ調査に向かったところで
彼の消息は途絶えてしまうのです…。
そして、最後までこの作品を読み終えると、
背筋さんの仕掛けた…
いや、仕掛けさせられたというべき
この作品の裏の顔に
思わずゾクっと震えてしまうことでしょう。
そして、何とも言えない怖さが纏わり付くと思いますので、
心して読んでくださいね。゚(゚´Д`゚)゚。
この作品を読んでいくと、
オカルト話や怪異譚と呼ばれる話の
成り立っていく過程がよくわかるなと感じました。
そこには当然ながら『人』が関わっていて、
何か後ろめたいことがあったり
蓋をしたい真実があったりするものなんだなということが見えてきます。
『虚構推理』という作品の「鋼人七瀬」という怪異が出てくる話にも通じてくる話なのですが、
このように実害を伴う怪異譚というのは、
人々の「想像力が産んだ怪物」なんだろうなと思ってしまいますね(;´Д`A
つくづく人間って怖いですね…。
終わりに
ここまで、
背筋さんの「近畿地方のある場所について」
を紹介してきましたが、
いかがでしたでしょうか?
大袈裟かも知れませんが、
覚悟を持って読んでほしい作品です。
たぶん、読了後に改めて記事の冒頭に書いた言葉を読むと、
『怖っ!』
ってなることでしょう。
もし、読了後から
自分を見つめる男の子が見えたら…
つまり、そういうことなのでしょう。
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