はい、こんにちは。キザメです。
今回は、
霧原咲月さんの「“誰でもできる仕事”をしていた私が辞めたら、会社が止まった」
を紹介していきます。
それでは始めていきましょう。
あらすじ

五日後、 電話越しの元上司の声は震えていた。
人柄が窺える丁寧な引き継ぎ資料を残し、社内で誰にも評価されなかった三倉紗和が会社を去る。翌日から、備品の発注、細かな経費チェック、見えない根回しなど、彼女が独りで回していた「当たり前」が崩壊し、会社はパニックに――。
AI導入で切り捨てられた受発注担当者。深夜のトラブルを一人で解決してきた情シスエンジニア。社員を温かく見守っていた食堂のおばちゃん……。様々な立場で『名もなき仕事』を抱えた人たちの、孤独と苦悩、そして再起に共感の声多数!! オムニバス視点で綴る、自分を取り戻し、明日を生きるためのお仕事小説。
見どころ
タイトルに惹かれて手に取った作品です。
読んだ感想としては、
色んな感情が溢れ出てくるなっていうのが正直なところです。
ざまーみろ!って想いもあれば、
事後ながら評価を得られて嬉しいって感情も湧いてきたし、
逆に自分がいなくならなければ得られなかった評価だったなっていう悲しさもあり⋯、
正当に自分の仕事を評価されるってこんなに大変なことなんだなって(´;ω;`)
しみじみ思っちゃいました…。
物語としては、
様々な職種で働く方々を描いた短編集となっています。
総務を一手に担っていた女性、
様々な会社からの発注を受け捌いてきた女性、
社内の電子機器管理やシステム管理を任せられていた男性などなど
9名のエピソードが描かれています。
基本的には、その人達のやっていることが軽んじられ、
経費削減や自動化の謳い文句のもと、
契約を切られたり、自分から辞める決断をしたりしています。
しかし、いなくなってみたら、
全く仕事が回らないという事態になり、
その人の重要性に気づき、「戻ってこないか?」
と打診を受ける展開が多くなっています。
序盤の3つの話で、
主人公が退職にあたって引継書を作成するのですが、
その数が、1話目から32ページ、40ページ、100ページ以上となっていて、
ここにすべてが詰まっている気がしました。
「誰にでもできる仕事でしょ?」
と言われた仕事は、
これだけの気配りや積み重ねのもとで成り立っていた…。
軽んじていい人や仕事なんて無いんだなって思わされましたね。
個人的に色んな人に届いてほしい言葉がありますので紹介します。
第3話で、退職した主人公が友人とともにスタートアップを立ち上げるのですが、
その会社に前職の部長から外注の依頼が入った時の友人の言葉です。
「弊社の緊急対応サービスですと、初月が二百五十万、以降月百五十万。
年間でおよそニ千万円ほどになります。
これは通常の運用保守の料金ですので、ランサムウェア対応は別立てになります。
初動調査だけで、三百万から。」
(中略)
「ええ。お気持ちは分かります。
ただ、二十年動いている基幹システムを、ろくな仕様書もない状態で復旧する仕事ですので。
失礼ですが、弊社の人間を一人、半年単位で拘束することになります。」
(中略)
「―その人間を、御社は八年間、年収四百万台で使っていたと聞いています。」
正当に評価されるってこういうことだよなって思いました。
なんかこの主人公みたいにスタートアップを立ち上げて、
相場通りに価格設定して売り込みをかけた方が、
金銭面でも自身の精神衛生上でもいいんじゃないかなって思えちゃいますよね。
私は看護師として働いていますが、
病院で働くというのは、
診療報酬によって、疾患や治療で得られる価格が決まっていたりするので、
極論、どれだけ患者に尽くしても給料に反映されにくい性質があります。
夜勤や残業ありきの給与形態という病院も多く、
また、経営難に陥る病院も多く見られ、
いかに救急車を多く受け、
入院患者を多く取り、
そして、治療に区切りがつけば、
転院先を探してそちらに任せることが多くなってきました
年々やりがいというものが失われてきている気がします。
「誰でもできる仕事」と言われて辞めた人は、みんなどうしているのだろう。
わたしの現状も含め、心を揺さぶられる作品でした。
どうかそういう人たちに届いてほしい作品ですね。
終わりに
ここまで
霧原咲月さんの「“誰でもできる仕事”をしていた私が辞めたら、会社が止まった」
を紹介してきましたが、
いかがでしたでしょうか?
少し自分語りをしてしまい申し訳ありませんでしたm(_ _)m
ただ、本当に色んな思いを抱えている職業人の方がいらっしゃると思うので、
そういった方たちに届いてほしいですね。
当ブログでは、これからも
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