【令和のヘレンケラー】救助の入れない地下施設へ、ドローンを駆使して救い出せ!『アリアドネの声』作品紹介

小説

はい、こんにちは。キザメです。

今回は、

井上真偽さんの「アリアドネの声

を紹介していきます。

 

本作は、Xでも、よく目にしていて

気になっていたところ、

この度、

私の好きなYouTubeチャンネル「ほんタメ」にて、

ほんタメ文学賞2023年上半期たくみ部門にノミネートされたということで、

手に取り読ませていただきましたが、

あとでも触れますが、

とにかく臨場感がすごくて、

どうなる?どうなる?の連続で、

ハラハラしながらもどんどんと読み進めることができ、

あっという間に読了できました(*≧∀≦*)

 

災害救助や主人公の抱える葛藤・呪縛、

そして三重苦をを抱える女性…

色んな要素が合わさってとても読み応えのある作品だったと思います。

 

それでは始めていきましょう。

あらすじ

救えるはずの事故で兄を亡くした青年・ハルオは、

贖罪の気持ちから救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職する。

業務の一環で訪れた、障がい者支援都市「WANOKUNI」で、巨大地震に遭遇。

ほとんどの人間が避難する中、一人の女性が地下の危険地帯に取り残されてしまう。

それは「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱え、

街のアイドル(象徴)して活動する中川博美だった――。


崩落と浸水で救助隊の侵入は不可能。

およそ6時間後には安全地帯への経路も断たれてしまう。

ハルオは一台のドローンを使って、

目も耳も利かない中川をシェルターへ誘導するという前代未聞のミッションに挑む。

Amazon商品紹介ページより引用
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見どころ

この作品は、まず臨場感がすごかったですね。

自分もこの現場にいるような気分で読めたので、

あっという間に読み切ってしまいました。

 

地震によって崩落した地下施設の地下5階から

見えない」「聞こえない」「話せない」の三重苦を抱えた盲ろう者を救わなければならない。

しかも、崩落により浸水、火災、ガスの充満などが生じ、

タイムリミットがあり、

かつ、

人がすぐには行けないためドローンでシェルターまで誘導しないといけないという

難易度MAXなミッション…!

これに挑んだ者たちの物語です。

 

途中、ドローンのカメラが壊れて救助者やその周囲の状況が、

サーモグラフィやなどのはっきりしない映像での救助が求められたり、

救助者の様子が見えないために少し違和感のある動きがあれば、

実は見えてる、聞こえてるんじゃないかという疑念が生まれたり

ドローンを操縦する主人公の、知人の妹が行方不明になっていたりと

予期せぬ事態が相次いで起こっていく様子は、

これが災害のリアルなのかなと感じるほどに臨場感がありました。

 

また、主人公のハルオは、幼い頃に水難事故で兄を亡くしており、

その頃から兄の言っていた

無理だと思ったら、そこが限界なんだ。

という言葉に縛られ、そしてその言葉を口癖になるほど反芻して生きてきました。

ドローン製作会社に入ったのも、

救えなかった兄の分も他の人たちを救いたいという想いからでした。

救助の際も、その言葉を胸に救助にあたるのですが、

相次ぐアクシデントに「もう無理なのか‥」と諦めそうになる場面が訪れます。

 

そんな中、中川博美の通訳兼介護者の伝田より、

中川博美もハルオと同じ言葉を口にしていたことを知ります。

しかし、ハルオとは真逆の考え方でその言葉を捉えていて

それを聞いて衝撃を受けたハルオは、

その後疲れから休んでいた時に見た兄の夢や電話をくれた母の言葉により、

自分が勝手に思っていた兄の想いとは別の言葉を知ったことで、

気持ちが救われていきます。

一転して、無理は無理と受け止めた上で、新たな視点からの救助アプローチを提案するなど、

前に進むことができるのです。

 

盲ろう者である被災者の救助

「兄の死」という呪縛からの救済

という視点で入り込んでいける作品だなと思います。

 

そして、ラストに訪れる奇跡のような事実と違和感の正体

救助者の安堵の叫びが物語る様々な感情

「事実は小説よりも奇なり」という言葉が腑に落ちそうな展開でした。

 

もちろんこの話も小説ではあるのですが、

臨場感がすごくて、一緒に災害現場に居合わせたような感覚になれるので

被災者が救助された時は、想像していた事態を軽く超えていて

「うわ~!そういうことだったのか~」

となることでしょう。

 

ぜひ、これを味わうべく読み進めていってもらいたいです。

Bitly

終わりに

ここまで、

井上真偽さんの「アリアドネの声

を紹介してきましたが、

いかがでしたでしょうか?

 

災害現場ゆえの、

予期せぬことが相次いで起きていく様子が

作品の中に入り込ませてくれました。

ぜひ、読んでみてもらいたい作品です。

 

当ブログでは、これからも

漫画や小説などの紹介記事を投稿していきますので、

楽しみに待っていていただければ幸いです。

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今回はここまで!

ありがとうございました。

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