はい、こんにちは。キザメです。
今回は、
井上真偽さんの「その可能性はすでに考えた」
を紹介していきます。
ほんタメの最初の頃の動画で紹介されていたのを見て
手に取った作品です。
天才たちが繰り広げる推理バトルは見どころ満載で楽しかったです。
それでは始めていきましょう。
あらすじ
山村で起きたカルト宗教団体の斬首集団自殺。唯一生き残った少女には、首を切られた少年が自分を抱えて運ぶ不可解な記憶があった。首無し聖人伝説の如き事件の真相とは？探偵・上苙丞はその謎が奇蹟であることを証明しようとする。論理の面白さと奇蹟の存在を信じる斬新な探偵にミステリ界激賞の話題作。
見どころ
上苙丞はとある理由から＂奇蹟”を追い求めている。
このとある理由というのが、
結構悲しい理由で、
一見変人に見える上苙丞のことを好きにさせてくれます。
内容としては、
あらすじにある
カルト集団の集団自殺事件の生き残りの女性が語る
首を斬られた少年に運ばれていたという記憶…。
聞けば聞くほど人知の及ばぬ力が働いたのではないか
と思えるような出来事。
それを聞いた上苙丞が、
あらゆる角度から検証し、“奇蹟“だと認定する。
そこにそれを聞きつけた様々な登場人物たちが、
人の成せるものだという可能性を提示し、
それを上苙丞が「反証」していく形で展開していきます。
いわゆる多重解決に分類される作品です。
奇蹟であるという証明が済んだ状態で、
提示された可能性を事実をもとに一つずつ潰していく。
今までにはない形式のミステリーで楽しく読むことができました。
本文中に中国語読みの箇所が何度か出てくるので、
少し読みにくさを感じる部分もありますが、
内容が面白いので、多分そんなに気にならないと思います。
ぜひ、新感覚味わってみてください。
あと、結末は想像以上にやさしいものでしたし、
奇蹟であるという証明に対して反論する人たちも、
敵対しているようでいて、
上苙丞の当てのない旅を止めようとしている面もあったりして、
単なる邪魔をする人たちとは言えない関係性にも
注目すると面白いかもしれませんね。
終わりに
ここまで、
井上真偽さんの「その可能性はすでに考えた」
を紹介してきましたが、
いかがでしたでしょうか？
多重解決作品は初めて読みましたが、
いろんな視点から一つの事象を見ると、
これほどの可能性が見えてくるのか・・・！
とワクワクしちゃいましたね。
これからも、こういう作品を読んでいきたいなと思いました。
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