助け合いの連鎖が繋ぐ幸せの輪!『水車小屋のネネ』作品紹介

小説紹介

はい、こんにちは。キザメです。

今回は、

津村記久子さんの「水車小屋のネネ

を紹介していきます。

 

本屋大賞で出会った作品です。

津村さんの作品自体が初読みでしたが、

いや~好きな作品でしたね。

とても温かい気持ちになれる作品でした。

 

それでは始めていきましょう。

あらすじ

誰かに親切にしなきゃ、
人生は長く退屈なものですよ


18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉
ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――

助け合い支え合う人々の
40年を描く長編小説
毎日新聞夕刊で話題となった連載小説、待望の書籍化!

Amazon商品ページより引用
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見どころ

2人の姉妹とヨウムのネネが歩んだ40年の物語。

人と人とが繋がっていく尊さを感じる作品でした。

 

物語は、

18歳の理佐8歳の律の姉妹が

とある理由から家を出て2人で生活するところから始まります。

バイト先の夫婦をはじめとした周りの人に助けてもらいつつ、

どうにか暮らしてきた2人が、

年月を重ねていくと、

今度は2人が他の人たちに手を差し伸べていき、

助け合いの連鎖が生まれていく…。

決して裕福ではなくとも、

確かに育まれていく幸せの輪がここにはありました。

キザメに刺さった言葉

この作品の助け合いの連鎖を端的に表した言葉があります。

 

「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ。」

 

これは、律の小学生時代の担任である藤沢先生が、

晩年、律との会話の中で話した言葉です。

個人的には、この言葉はスッと胸に入ってきました。

決して見返りを求めるわけではなく、自分がやりたいからやる。

言葉の軽さとは裏腹にそういう意志の強さを感じさせる言葉だなと思いました。

律は藤沢先生から多くの手助けを受けてきましたし、

律自身も関わりを持った研司という少年に勉強を教えてあげたりしています。

そして、年月が進み、

物語の最終章は東日本大震災の年の話になるのですが、

その研司は社会人となり、

震災復興に関わる仕事に就くため東北の会社に転勤する事になります。

その時の研司が、

「山下さん(律)が昔話してくれた、いろんな人によくしてもらって、それでお姉さんに勇気があったから自分はこんな人間になったんだっていう話を思い出して」

中略

「自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会った人が分けてくれたいい部分で自分はたぶん生きてるって。だから誰かの役に立ちたいって思うことは、はじめから何でも持ってる人が持っている自由からしたら制約に見えたりするのかもしれない。けれどもそのことは自分に道みたいなものを示してくれたし、幸せなことだと思います。」

ということを話しています。

この言葉を読んで、正直泣いてしまいました。

助け合いの連鎖幸せの輪というのはこうして繋がり、広がっていくんだなっていうのが、

実感を持って感じることができました。

 

その礎ともいえる

「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ。」

この言葉を胸に刻んでいきたいなと思いました。

ネネの存在

そして、忘れてはいけないネネの話もしておきましょう。

ネネは、理佐のバイト先のそば屋で飼っていたヨウムなのですが、この子がまた賢い!

人の話した言葉をすぐに真似して喋ったり、

ラジオから流れる音楽もコピーしてみたりと、

ぜひとも会ってみたいと思わせてくれる魅力に溢れた鳥です。

 

理佐と律の人生を共に歩んできた家族であり戦友でもあるといえる存在です。

 

大人になった律がネネのことをこう話しています。

自分たちにとってネネは、共同で世話をしている鳥であると同時に、おぼつかない出発点だった自分たちの人生がなんとか立ち往けているということの象徴であるようにも律は思っていた。

不安しかない始まりだった2人の生活を共に過ごしてきたネネ。

年月が流れる中で、仕事や生活が変わっていき、

ネネの世話をどうするかという場面も出てきますが、

先に挙げた研司や理佐の夫となる聡など、

都度様々な人の助けが入りながら40年という長い間歩んでこれた…

まさに、「なんとか立ち往けているということの象徴」であり、

何度も言っている助け合いの連鎖の象徴でもあるなと思います。

時の流れの中で、出会いと別れがあり、

その中で確かに成長していく2人と1羽の物語、ぜひ読んでみてください。

水車小屋のネネ
水車小屋のネネ

終わりに

ここまで、

津村記久子さんの「水車小屋のネネ

を紹介してきましたが、

いかがでしたでしょうか?

 

ミステリーを好む人間ではありますが、

やはりこういう優しい気持ちになれる作品はいいですね。

定期的に摂取していきたいと思いました。

 

当ブログでは、これからも

漫画や小説などの紹介記事を投稿していきますので、

楽しみに待っていていただければ幸いです。

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今回はここまで!

ありがとうございました。

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