【リトルリーグ肘】マンガに学ぶシリーズ②リトルリーグ肘予防の一視点

マンガに学ぶシリーズ

フォームでも鍛え方でもなく、「バランスだ」

 

はい、こんにちは。キザメです。

今回はマンガに学ぶシリーズの第2弾として、

リトルリーグ肘の予防方法について考えていきたいと思います。

 

取り上げる作品は、第1弾に引き続き

「おおきく振りかぶって」(ひぐちアサ/アフタヌーンKC)になります。

今回は28巻です。

 

この記事は

  • 野球をやっている人
  • 野球を教えている人
  • 家族が野球をやっている人

に読んでいただきたい内容になっていますが、

その中でも特に、

小学生~高校生の選手

そこに関わる指導者やご家族

読んでいただきたいなと思っています。

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リトルリーグ肘の予防に対する新たな視点

冒頭に書かせていただきましたが、

今回の話で肝になるのは

バランスです。

 

少し内容に触れつつ、

練習方法や考え方について書いていきます。

 

エースの三橋はコーチからの指示で

特投げ(30分間ひたすら投球を続ける練習)を行う。

30分で89球(特投げ前の投球と合わせて105球)投げる。

終えるとコーチから、

投球と同じ数、裏の筋肉も使っておこう

との言葉。

 

ここから、リトルリーグ肘、及び故障予防についての話が始まる。

 

「投手の肩が消耗品というが、

それで言ったら体全体が消耗品ということにならないか?」

「鍛えなきゃ強くならない。でも、故障したら元も子もない。」

「大事なのはバランスなんだ。」

 

ここで、「バランス」という言葉が出ましたね。

みなさんは、「バランス」と聞いてどういうイメージを持ちますか?

 

作中で選手たちは、

「練習と休息のバランスですか?」

「表と裏ってことは、インナーマッスルとかですか?」

と発言しています。

 

コーチは、

「それもバランスだ。」

と肯定したうえで、

「右と左、上と下、とにかくバランスだ。」

と言っています。

 

ここで一人の選手が、

「左で素振りはまだしも、

左で投げるとかいろいろ無理があるかと思うんですけど。」

と言いました。

この発言自体はサラッと出てきた発言なのですが、

恐らくこの発言が、

野球選手、ひいては投手に肩や肘の故障が起こりやすい本質なのかなと思われます。

 

話を進めましょう。

 

ここで、コーチは選手たちにある動きをしてみるよう指示します。

 

ある動きというのは、

その場でジャンプすることなのですが、

右に半回転、左に半回転

右に半回転、左に半回転

そして、右に1回転、左に1回転飛びます。

 

すると、そこにいた4選手のうち3選手が

最後のジャンプで回りきることができませんでした。

 

選手たちは、

「どうしてできないんだ?

足の筋力はそんなに差はないはずなのに。」

と、悩みますが、

 

コーチは、

「足だけで飛んでると思っているのか?

ジャンプは全身運動だぞ。」

と、伝えたうえで、

 

「故障しないでうまくなりたいなら、

上下 左右 内外 回転 そして神経

この5つのバランスを意識して整えることだ。

と話し、

 

左右差なく体を動かす、

つまり神経系のバランスにも目を向けさせます。

 

この後、特投げで約100球投げた三橋に、

"ロープ引き”

という練習を課します。

 

このロープ引きというのは、

滑車にロープを通し、

一方に2.5kgの重りを結び、

反対側に持ち手をつくります。

 

そして、投球動作に倣ってゆっくりと重りを引く

という練習です。

 

ただ、コーチはそれを利き手とは違う左で100回

さらに、投球動作の逆の動きで左右150回

行うように指示します。

 

コーチは、

「リトルリーグ肘と言われている、

"離断性骨軟骨炎”"内側上顆骨端線離開”は

日常の動作では起こらない、

階段から落ちて手をついたくらいのケガだ。

もちろん、

リトルリーグ肘になるのは野球をやっている子供だけではない。

でも、圧倒的に野球選手に多い。

ジュニアプレーヤーの2割が故障を抱えている競技なんて

どこかおかしいんだ。」

と話しています。

 

 

この話を聞いた選手たちは、

「なんで野球だけ?」

と考えます。

 

投げ方…、鍛え方…、アップのやり方…、

う~~~ん…

 

考えた結果、

「投球の動きはどのスポーツにもあるけど、

投手はこの動き(投球動作)ばかりやってるんだ。

他のスポーツにも投球みたいな動きを1試合で100回とかやるけど、

他の動き(例:フォア・バックなど)も同じくらい試合の中でやるんだ。

だけど、投手の動きは偏ってんだ。

だから偏んないようにロープ引きで補えば、

故障しにくいってこと、ですか!?」

と気づきます。

 

コーチも、

「そうだと思うんだ。」

と、同意したうえで、

 

フォームでも鍛え方でもなく、

バランスだ

と締めくくっています。

 

なお、"離断性骨軟骨炎”"内側上顆骨端線離開”については

こちらのサイトをご参照ください。

http://www.hamana-seikei.com/main/suports/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E8%82%98%E3%81%AE%E9%9A%9C%E5%AE%B3/

 

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まとめとして

いかがでしたでしょうか?

 

投球した腕に対して

  • アイシングをしたりストレッチをしたりして疲労を抜くケア
  • 負荷に耐えられるようにトレーニングを行う
  • 負担の少ないフォームづくり

こういった視点で故障予防に取り組んでいくのが

通常の取り組みかと思うのですが、

このコーチのように、

左右、表裏で疲労具合を整えるという考え方は聞いたことがなく、

いろいろな本を見てきましたが、

トレーニングはバランスよくということは言っていても、

投球後にあえて反対側にも負荷をかける

ということに触れたものはありませんでした。

 

もちろん、ロープ引きをやれば投げまくってよいということではなく、

そこは、休息とのバランスということになるかと思います。

 

従来の取り組みを行ったうえでの考え方になるかと思いますが、

このトレーニング法はもっと広がってもいいんじゃないかと思い

記事にさせていただきました。

 

また、補足になりますが、

私が高校球児だったころ、

一度肩を痛めて高校の近くにあったカイロプラクティックに行ったのですが、

 

そこでの問診で、

「食べ物を噛むときに片側で噛んでいないか?」

ということを聞かれました。

 

気になったので聞いてみたところ、

「片側だけで噛むとか、頬杖を片側だけでついていたりすると、

少しずつ顎の骨格が歪んできて、

それがもとになって、全身の歪みにつながるんだよ。」

と教えてくれました。

 

今回のバランスの話を書いていて思い出したので書いてみました。

バランスについて考えると、

練習以外でも取り組めることがあるんだなということに気付けますね。

本編も含めて参考になればうれしいです。

 

また、今回紹介している「おおきく振りかぶって」では、

様々な練習方法や考え方が描かれています。

【トロトロピン】【コルチコトロピン】【ドーパミン】マンガに学ぶシリーズ①脳内ホルモン活性法
マンガに学ぶシリーズ第1弾!脳内ホルモン活性法について取り上げていきます。題材となるマンガは「おおきく振りかぶって」です。脳内ホルモン活性法といっても難しいことはなく、日常の1場面でできることなので、読んで試してみてください。

 

↑こちらは以前投稿した、

「おおきく振りかぶって」の別の記事になります。

かなり興味深い取り組みなので、

こちらもぜひ読んでみてください。

 

もちろん、これだけではないので

本作品も読んでいただけたら嬉しいです。

今回はここまで!

ありがとうございました。

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