はい、こんにちは。キザメです。
今回は、
クラフト・エヴィング商會の「ないもの、あります」
を紹介していきます。
この作品は、YouTubeチャンネル「ほんタメ」で
『帯文選手権』の企画で登場したのをきっかけに、
あかりんがその後の『書店で選書企画』で紹介していたので、
気になっていました。
普段よく耳にするけど実物は見たことがない…、
そんなものが取り扱われた作品です。
慣用句などでよく使われるものたちが実物となって目の前に現れるとしたら、
どんなものが欲しいですか?
この作品の中からはもちろん、
「こんなのも欲しいな」ということを考えてみたら面白そうですよね。
それでは始めていきましょう。
あらすじ
よく耳にするけれど、一度としてその現物を見たことがない。
そういうものがこの世にはあります。
例えば、〈転ばぬ先の杖〉。あるいは〈堪忍袋の緒〉。
こういうものは、どこに行ったら手に入れられるのでしょうか?
このような素朴な疑問とニーズにお応えするべく、
わたくしどもクラフト・エヴィング商會は、
この世のさまざまなる「ないもの」たちを、
古今東西より取り寄せて、
読者の皆様のお手元にお届けします。
本書裏表紙より引用
感想
あらすじにもあるように、
この作品で出てくる「ないもの」は、
『堪忍袋の緒』や『転ばぬ先の杖』
といった、
慣用句または、そこに出て来る名詞
を具現化したものとなっています。
各商品の紹介文は、
言葉遊びのような要素もありつつ、
その言葉の意味を踏まえた注意喚起のようでもあり、
楽しくかつ、教養や戒めとしても読むことができます。
個人的に好きだったのは、
「相槌」の話で、
『人はその身の内にいくつかのトンカチを持っている』
というような書き出しで始まり、
「金槌」 ー 泳ぎのできないこと
「うすらトンカチ」 ー 知恵の足りない人、間が抜けた人
と来て、最後に
「相槌」の話となり、
相槌を当商會で扱っている理由や
年がら年中打っていればいいものではないというようなことが
話されています。
最後のページでは、その商品の紹介が書かれていますが、
これもまた面白いんですよね。
このような形式で、計26商品が掲載されています。
不思議なもので、
この作品を読むと、
各商品の大元の意味をちゃんと知りたくなってしまい、
1商品読むごとに、スマホで意味を調べながら読み進めました。
なので、120ページ程の作品ですが、
読み切るのには少し時間を要してしまいました。
そういった意味でも勉強になる作品でした。
ぜひ読んでみてください。
終わりに
ここまで「ないもの、あります」
を紹介してきましたが、
いかがでしたでしょうか?
こんなテーマ、
こんな描き方があるんだということで、
つくづく文学って面白いなと思いますよね。
どうしてもミステリーが読書の主体とはなってしまいますが、
今後もこういうトリッキーな作品も
見つけていけたらなと思っていますので、
お楽しみにしていただくとともに、
こんな作品があるよという情報もお持ちしております。
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ありがとうございました。
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