【最後の作品集】人が抱える表と裏に思いを馳せる短編集!『ばにらさま』

小説紹介

はい、こんにちは。キザメです。

今回は、

山本文緒さんの「ばにらさま」を紹介していきます。

山本先生の作品は初読みになるのですが、

『思わず二度読み』っていう帯の言葉に惹かれて

手に取りました。

詳細は後述しますが、

実際に二度読みしちゃいましたので、

帯文に偽りなしでした。

 

それでは始めていきましょう。

あらすじ

モテない僕の初めての恋人は、白くて細くて、手が冷たくて(「ばにらさま」)。

自分勝手な親友から持ちかけられた同居を、私は決して断れない(「菓子苑」)。

かつての同級生が私に遺した意外なものとは(「子供おばさん」)。

日常の風景がガラリと一転する―――光と闇に圧倒される戦慄の6編。

著者最後の作品集。

本書裏表紙より引用
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見どころ

表題作「ばにらさま」を始めとし、

「わたしは大丈夫」「菓子苑」

「バヨリン心中」「20×20」

「子供おばさん」

の6編からなる短編集です。

どの作品も、

人の表と裏のようなものをより印象的な表現の方法で描いているなと思いました。

恋人のいる女性が抱いている焦りと打算的な思考であったり、

国籍の違いが生んだ、行動に対しての誤解であったり…。

その方法の一つがどんでん返し要素であり、

途中で挟まれる日記だったりします。

 

個人的に好きだなと思ったのは、

「わたしは大丈夫」ですね。

 

この話は、2つの視点で物語が進んでいきます

最初は2つの視点があることには気づかないかもしれません。

ただ、読んでいると、「これは誰の話?」

という違和感を感じると思います。

 

実は、

この話は「とある夫婦の妻の視点」「不倫を行う女性の視点」

交互に展開されているんです。

そして、

この2つの視点を読み進めていった先に見える「真実の姿」に気づいた時、

わたしは鳥肌が立ってしまいました。

 

書き方の妙とでも言いましょうか…

この書き方自体に意味があったんだと気づいてさらに震えてしまいました。

全貌が見えた時、

作中に登場する義母が、足繁く訪れてくる理由にも気づくと思います。

 

短編の短い作品ですが、何度も

「うわっ!そういうことか!」

と言ってしまいます。

 

帯にある通り、思わず二度読みしちゃいました(*゚▽゚*)

こういう一視点では見えてこない人の裏の部分を、

ぜひ味わってみてください。

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終わりに

ここまで、

山本文緒さんの「ばにらさま

を紹介してきましたが、

いかがでしたでしょうか?

 

本作品は、山本文緒さんの最後の作品集とのことです。

お恥ずかしながら初めて読ませていただきましたが、

好きな文体でぜひ他の作品も読んでみたいと思っています。

なにぶん山本作品初心者ですので、オススメの作品教えてください。

一読者として、

ご冥福をお祈りいたします。

 

当ブログでは、これからも

漫画や小説などの紹介記事を投稿していきますので、

楽しみに待っていていただければ幸いです。

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今回はここまで!

ありがとうございました。

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