はい、こんにちは。キザメです。
今回は長江俊和さんの「出版禁止」を読み終えましたので、
紹介していきます。
この本を手に取ったきっかけは、
またしてもYouTubeチャンネルのほんタメで
MCのたくみさんが同じシリーズの別作品を紹介していて、
各話が独立しているということで、
その作品から読んでも大丈夫とのことでしたが、
やっぱり、最初から読みたいなと思い、
本作、「出版禁止」を読んでみることとしました。
感想などは後述しますが、
とにかく面白くてあっという間に読み進めてしまいました。
それでは、
本書の紹介を始めていきましょう。
あらすじ
著者・長江俊和が手にしたのは、いわくつきの原稿だった。題名は「カミュの刺客」、執筆者はライターの若橋呉成。内容は、有名なドキュメンタリー作家と心中し、生き残った新藤七緒への独占インタビューだった。死の匂いが立ち込める山荘、心中のすべてを記録したビデオ。不倫の果ての悲劇なのか。なぜ女だけが生還したのか。息を呑む展開、恐るべきどんでん返し。異形の傑作ミステリー。
本書裏表紙より引用
掲載禁止となったルポルタージュを
とある経緯で読むことになった長江さん。
そのルポを読んだ際に受けた衝撃から、
出版に向けて動き出します。
この本の主体はそのルポ、
「カミュの刺客」
が全文載せられていて、
最後に長江さんの考察や後日譚が書かれています。
フェイクドキュメンタリーなんて言われたりしているようです。
感想
こういうフェイクドキュメンタリーという
形式のものは読んだことがなかったので、
わくわくしながら読み始めました。
作中のルポ、「カミュの刺客」が
そもそも面白くて、
ホントに創作物なのかなと
思うくらい話がリアルで、
段々とルポの世界に引き込まれていくのを感じました。
このルポはとある心中事件を追ったもので、
その生き残り女性との接触が描かれています。
中盤でこの心中事件の全貌が明らかになるシーンがあり、
生き残り女性がひた隠しにしていた真実を話してくれるのですが、
その時にライターに言った言葉、
「取材を受けると過去の記憶が私の身体から吐き出されたような気持になって、前に進めるかもしれないと思いました。私にとって、あなたと会うのは希望でした。私を過去の呪縛から、解き放ってくれるかもしれない…希望。だから……そんなあなたから、疑われたくなかった。」
この言葉を読んだとき、思わず涙が流れてしまいました。
そんなに入り込んでたのかと自分でも驚いたくらいです。
ここでこのルポが終わってくれていたら、
なんとスッキリと終われていただろうかと思いますが、
まだ、中盤なんですね(;’∀’)
この先は草稿(記事の下書き段階)の状態のままの
掲載となっているのですが、
ここから、テイストが変わってきます。
掲載禁止となった理由が分かるのですが、
最初にこの草稿を読み始めていた時に
思い描くであろうラストからは
見事に裏切られます。
正直、鳥肌が立ちました。
「えっ?」「えっ?」「どういうこと?」
きっとこうなると思います。
再読必至の衝撃のルポルタージュ
ぜひ読んでみてほしいです。
終わりに
出版禁止を紹介してきましたが、
いかがでしたでしょうか?
みなさんの興味に引っかかることができたら
うれしいです。
ぜひ読んでみてください。
次巻以降はもちろんのこと、
他にも積読は山のようにあるので、
どんどん読んでいきたいと思います。
今後の記事更新もお楽しみに♪
また、以前村田沙耶香さんの「殺人出産」
という作品の紹介記事も書いています。
ディストピアではありますが、
決してないとは言えない世界観で引き込まれます。
こちらもぜひ読んでみてください。
今回はここまで!
ありがとうございました。
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