【このマンガがすごい!】不意に訪れる虚しさや寂しさに寄り添ってくれる作品集『うみべのストーブ』

マンガ

はい、こんにちは。キザメです。

今回は、

大白小蟹さんの短編集「うみべのストーブ

を紹介していきます。

 

この作品は、

正直申しますと、全然知らない作家さんであり

全然知らない作品でした。

ただ、この度

「このマンガがすごい!2024 オンナ編 第1位」

に輝いたということで、知った次第なのですが、

読んでみた感想としては、

表紙に描かれているストーブのように

心に寄り添ってくれる作品でした。

 

それでは始めていきましょう。

あらすじ

期待の新鋭、大白小蟹(おおしろこがに)・初単行本。生活から生まれた絵とことばが織りなす、珠玉の7篇。

 

作者による短歌とともに綴られる、生活の中から生まれた作品集。

雪のように静か。冬の朝のように新鮮。
自分の気持ちに触れることができるのは、こんな時かもしれない。

Amazon商品ページより参照
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見どころ

いや~

素敵な話というか…、

胸に来る話が多かったですね。

 

7篇からなる短編集なのですが、

比較的、『失ってから気づく存在の大きさ』

みたいな話が多かったなというのが理由です。

 

「うみべのストーブ」では恋人と別れた話を通して

嫌われるのが怖くて言葉でも行動でも「好き」を示せなかった男を…

 

「きみが透明になる前に」では夫が透明人間になった話を通して、

夫の嫌な部分を見なくて済む安堵感以上にもう姿を見れなくなってしまった悲しさ

忘れていってしまう怖さ、夫の存在の大切さに気づいた妻を

 

「雪の街」では親友が亡くなった話を通して、

親友のゼミの後輩と一緒に、親友の住む街を巡り少しずつ死を受け止めていく女性を…

描いています。

 

今、目の前にいる大切な人を大切にしたいなと思える話達でしたね。

 

ただ、読後感として一番強かったのは、

男女で読む印象は結構違うんじゃないかなってことですね。

 

先にも挙げた、「うみべのストーブ」は、

主人公(男)目線で見れば、

別れは切ないし、戻ってきてくれることを期待してる女々しさもありはするけれど

相手を好きということを再認識できて

さらにストーブという傍に寄り添ってくれる存在までいてくれるという点で

ある意味美談というか「いい思い出です」感を受けたりしたのですが、

きっと女性が見たら、全然違う感じ方になるのかなというのは思いましたし、

 

「雪を抱く」という話では、

妊娠を機に、「自分の身体が自分だけのモノであったことがあっただろうか」

ということを考えるようになった女性の話が描かれています。

正直、男的にはこの感覚はピンっと来ない感覚だったりするので、

新鮮な気づきという感じなのですが、

女性目線で見れば、「分かる」感覚なんだろうか、と気になりましたね。

 

ちゃんと理解できているわけではないかもですが、

この作品が「オンナ編」で第1位を獲得したのも納得でした。

 

ここまで、いろんな観点から

紹介してきましたが、

実は、一番好きな話はこれまた別作品だったりするんですよね(笑)

 

私が一番好きな話は、

「海の底から」です。

この話は、

学生時代は小説を書いていたものの、

就職してから書く時間もなく、日々息苦しさを感じて生きている主人公が、

文章で飯を食べれている同級生との食事会で、

劣等感を抱いてしまう話です。

 

まあ、端的に言えば、

「隣の芝は青い」がピッタリな作品かなと思うのですが、

どうしても文章を書けていない自分に引け目を感じてしまっている主人公に

彼氏がかけた言葉の中で

「マズローの欲求5段階説」が出てきた事で、

主人公の気持ちがフッと軽くなっただけでなく、

私もすんなりと飲み込むことができました。

 

ざっくり言うと、

文章を書くことが基本的な欲求に含まれている同級生

あくまで基盤を築いた先にある上位の欲求だった主人公の違い

が分かりやすく描かれていました。

 

価値観は人それぞれってことですね。

軸を持っていきたいなと思いました。

 

このような感じで、色んな切り口から

自分の心の琴線に触れてくる作品でした。

繰り返しにはなりますが、

「このマンガがすごい!」で選ばれたのも納得の作品です。

 

これを機にみなさんも読んでみていただけたら嬉しいです。

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終わりに

ここまで、

大白小蟹さんの短編集「うみべのストーブ

を紹介してきましたが、

いかがでしたでしょうか?

 

大白小蟹先生は、これが初の単行本ということでしたので、

今後の作品にも注目していきたいなと思います。

あと、本文では触れませんでしたが、

各話の最後に添えられた一文が結構胸に残るんですよね。

読む際はそこにも注目していただきたいです。

 

当ブログでは、これからも

漫画や小説などの紹介記事を投稿していきますので、

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今回はここまで!

ありがとうございました。

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