はい、こんにちは。キザメです。
今回は、
安壇美緒さんの「ラブカは静かに弓を持つ」
を紹介していきます。
この作品は「スパイ×音楽」という掛け合わせので、
正直、普段はあまり手に取らないジャンルの作品なのですが、
今回本作が「本屋大賞」にノミネートされたということで
手に取った次第です。
ただ、「今までなんで読んでこなかったんだろう」
と思えるくらいに面白い作品だったので
紹介させていただきます。
それでは始めていきましょう。
あらすじ
武器はチェロ。
潜入先は音楽教室。
傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。
『金木犀とメテオラ』で注目の新鋭が、想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽”小説!少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
Amazon商品紹介ページより引用
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……
見どころ
つくづく思いますが、
スパイっていうのは、
損な役回りだなと思いましたね。
スパイだとバレてはいけないハラハラ感と
かといって踏み込まないと内情は探れないので
関わりを持っていけばいくほど、
潜入先の人達と関係が築けてしまい
裏切ることが躊躇われてしまう葛藤が、
表現豊かに描かれているので、
時間の経過で悩むポイントは移り変わっていきつつも、
常に何かを抱え込んでいる橘のしんどさが良く伝わってきました。
その一方で、
中学生の時に起きたとある事件から
橘の心は深い暗闇の中に追いやられてしまい、
チェロとも離れてしまうのですが、
潜入捜査がきっかけといえ、チェロに再び触れることになり、
チェロを弾く楽しさや好きだった気持ちを
取り戻していくことで、
暗い海の底から引き揚げられ、
心が安らぎ彩られていく様子が
美しく描かれてもいます。
この作品を通して橘という男の
明と暗の移り変わりを味わうことができます。
そんな橘の立場が良く表現されてるなと思ったのが、
「小さな嘘を重ねれば重ねるほど、
どちらが本当の自分なのか、次第に分からなくなっていった。」
この一文です。
スパイものって感じの文章ですよね。
実は、この他にも「うわー」ってなったシーンがあって、
それが、
第一楽章(第1章)の最後で行われる
ミカサの生徒の発表会のシーンです。
橘が緊張しているのがちゃんと伝わってきて、
こっちも一緒になってドキドキしてしまいましたし、
選曲が『戦慄きのラブカ』というスパイ映画の曲というのも相まって、
待っている間の話題がその映画の話やスパイの話になったりしていて、
緊張に重ねて心臓がバクバクしちゃう状況になってしまい、
読んでいるこちらも「心臓が持たないよ(T_T)/~~~」
ってドギマギしちゃいました。
このように色んな要素でドキドキさせられちゃうので、
中々に心臓には優しくない作品かもしれませんが、
その分だけその中で訪れる、音楽がもたらす癒しや救いが
より印象的に感じられるのかなと思いました。
最後の方では、
自分の武器というか相棒というか
を手に入れる喜びのような
少し童心に戻れるような場面も感じられるので、
いろんな感情を味わえる作品かなと思います。
ぜひ読んでみてほしいです。
終わりに
ここまで、
安壇美緒さんの「ラブカは静かに弓を持つ」
を紹介してきましたが、
いかがでしたでしょうか?
スパイのドキドキと
音楽のもたらす癒し、
加えて何か熱中できるものに出会える素敵さ
などなど
いろんな気持ちを体験できる作品でした。
多くの人に読んでみてもらいたいですね。
当ブログでは、これからも
漫画や小説などの紹介記事を投稿していきますので、
楽しみに待っていていただければ幸いです。
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