【ツキない話】あなたもきっと月を見上げたくなる!「月の立つ林で」作品紹介

小説

はい、こんにちは。キザメです。

今回は、

青山美智子さんの「月の立つ林で

を紹介していきます。

 

青山美智子さんの作品は、

読んだことがなかったのですが、

これまでの2回の本屋大賞で2位になっている

お探し物は図書室まで」や

赤と青とエスキース

は読みたいなと思っていながら、

手を出せずにいたのですが、

この度、本屋大賞2023にもノミネートされたということで

ようやく読むことができました。

 

端的に「好きだな~」と思いました。

 

それでは始めていきましょう。

あらすじ

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家――。

つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの想いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。

最後に仕掛けられた驚きの事実と
読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、
心震える傑作小説。

Amazon商品紹介ページより引用
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見どころ

いやー素敵な話でしたし、

好きな物語でした。

 

5つの話で構成されていますが、

どの話にも「ツキない話」という

ポッドキャストが関わってきます。

そこで語られる「」にまつわるエピソードが、

妙にスッと自分に入ってくる感じがして、

本当に自分が聴いているような心地よさを感じました。

また、

各話で主人公となる人たちが

絶妙に他の話で関わってきていて、

色んな繋がりの中で人は生きているんだなと

実感させてくれます。

中でも、

全話に登場する『朔ヶ崎佑樹』が

いい感じにキーパーソンとなり支えになったり

背中を押したりしていて、

まさに「地球の周りを回っている月」という存在感を示してくれていています。

 

個人的には、

やはり第一話の「誰かの朔」が印象に残っています。

というのも私が看護師というところもあって、

看護師だから安心』とか

看護師のくせに』とかという言葉は

「あー言われるよなー」と思いましたし、

怜花が看護師を辞めるきっかけとなった、

職場の新人とプリセプターの子とのエピソードは、

実際あり得る話で、

看護師に限らない話かもしれませんが、

何か大きな失敗や罵声を浴びたとかよりも、

自分の良かれと思ってやった行為が実は相手を追い詰めていたとか、

実は本質的なところが何も見えていなかったとか、

そういう自分の培ってきたものが根底からひっくり返されるような出来事の方が

精神的にダメージはデカかったりするんですよね。

青山先生は看護師経験がおありなのかしらと思うくらい、

グッと心の奥に届いてきました。

 

この他のエピソードも、

自分が同じ状況になることはないかもしれなくても、

同じような心境に至ることはありそうだなという

リアルな心理描写で描かれていて、

どっぷりと物語の世界に入り込むことができました。

 

最後に、

物語にちなんで月の話をひとつ。

これは、

誰もが知っている話だとは思いますが、

月は自転周期公転周期が同じである関係上、

地球から見ると常に同じ面を向けているそうです。

この物語で月がモチーフとして出てくるのも、

新月のエピソードが

登場人物たちが新たな一歩を踏み出すきっかけ

としての役割を担っているというだけではなく、

序盤と終盤で主人公にとっての、

周りの人たちの見え方が変わっていっている点を考えても、

あなたに見えるのはその人の一面に過ぎないんだよ

ということを暗示しているのかな、

なんて考えてしまいました。

だれもが目にする「」がキーとなり展開されていく物語ですが、

やはり新しいスタートを意味する「新月」が

特別気になるようになりました。

今までは、

月の見えない寂しい日という印象でしたが、

これからは何かを始めるきっかけの日という待ち遠しい日となりそうです。

良くも悪くも影響を受けやすい人間ですので、

この本を読み終え、

私が月を見上げながら夜道を散歩したことは言うまでもありません。

お気に入りのポッドキャストを聴きながら…。

 

Bitly

終わりに

ここまで、

青山美智子さんの「月の立つ林で

を紹介してきましたが、

いかがでしたでしょうか?

 

この作品を読んで気付いたのですが、

自分にとって身近なものであったり、

触れたことのあるものがテーマとなっている作品は

好きになりやすいみたいです。

この作品で言えば、

月やポッドキャストが

それに当たります。

先にも述べたように、

割と影響を受けやすい人間というのもありますし、

「あーなんか分かるなー」

と実感を持って感情移入しやすいというのもあるのかなと思っています。

 

青山先生の作品は、

どんどん読んでいってみたいなと思っています。

記事を楽しみにしていてください。

 

当ブログでは、

月の立つ林で」の他にも、

本屋大賞ノミネート作品の紹介記事を書いております。

【クイズは人生】クイズの世界を深掘りすると人生が見えてくる『君のクイズ』作品紹介
今回は、小川哲さんの「君のクイズ」を紹介していきます。様々なクイズ番組やQuizKnockの動画、漫画「ナナマルサンバツ」に触れてきているのもあり、タイトルを見て気になってしまい購入に至ってしまいました。クイズの奥深さやプレーヤーの人生を知れる作品でした。

良ければ読んでみてください。

あと、

最近聞いているポッドキャスト(audible)も紹介しておきます。

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今回はここまで!

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