【本屋大賞ノミネート】まるで哲学書!?著者の思考の深さを窺い知れる短編集『君が手にするはずだった黄金について』

小説紹介

はい、こんにちは。キザメです。

今回は、

小川哲さんの「君が手にするはずだった黄金について

を紹介していきます。

小川哲さんの作品は、

昨年の本屋大賞ノミネート作品の「君のクイズ

で知った作家さんですが、

地図と拳」で直木賞を受賞されたりと

近年聞かない時はないようなご活躍を見せております。

そんな小川哲さんですが、

今年も本屋大賞に作品がノミネートされました。

それがこちらの

君が手にするはずだった黄金について』です。

 

面白くもあり、自分の中の深いところで響いてくる作品でした。

 

それでは始めていきましょう。

あらすじ

才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは「承認欲求のなれの果て」。

認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。彼らはどこまで嘘をついているのか? いや、噓を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか? いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!

Amazon商品ページより引用
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見どころ

この作品は、

思うところが多くあり、読後も心に残るものがある感じの作品でしたね。

エッセイのようであり創作物のようでもあり、

話している内容は哲学書のようでもある…

そんな作品でした。

 

本作は、6つの短編から構成されています。

「プロローグ」

「三月十日」

「小説家の鏡」

「君が手にするはずだった黄金について」

「偽物」

「受賞エッセイ」

 

読んでみて、

これらの作品の多くに共通するテーマとして「嘘」または「虚構」

というのがあるのかなと感じました。

個性豊かな登場人物達に対峙した時、

他人の人生を材料に加えてフィクションたる創作物を作ってきた作者

何を思うのか…。

その辺りが見どころとなる作品集です。

 

「プロローグ」では、

ES(エントリーシート)における「あなたの人生を円グラフで表現してください」という質問に対して思い悩む就活生を

「三月十日」では、

震災の日を振り返ったきっかけで、考え出した「その前日」についての記憶を巡る話を

「小説家の鏡」では、

オーラリーディング占い師と対峙する小説家を

「君が手にするはずだった黄金について」では、

投資家となった同級生が詐欺を疑われ炎上した話を

「偽物」では、

知り合った漫画家の腕時計が偽物であるという話から暴かれていく真実の姿についての話を

「受賞エッセイ」では、

山本周五郎賞の最終候補に残ったという知らせと並行して起きた様々な出来事から、「自分は何者なのか?」ということについて考える話を描いています。

 

どの話も、

著者自身と思われる人物の視点で描かれていて、

各々の出来事に対して深く思考を巡らせているので、

いくらかの小難しさはありつつも、

対峙する登場人物たちの特異さと著者の思考の深さに引き込まれ

気づくと物語の中に入り込んでしまっている自分がいますし、

自分自身のことについても登場人物に照らし合わせて考えてしまったりしました。

 

「自分は何者なんだろう?」とか、

「自分は三月十日に何をしていたかな?」とか

といった感じで。

 

人の思考を辿りつつ自分のことにも考えを巡らせていけるというのは、

とても楽しい読書体験でしたね。

 

個人的に特に好きだと思ったのは、

「小説家の鏡」です。

先にも記しましたが、

オーラリーディング占い師と対峙する話を描いた作品です。

 

友人の奥さんが、

占い師に見てもらってから会社を辞めて小説家になると言い出した、

という話から占い師が詐欺だということを暴いて正気に戻してほしいという相談を受けて、

主人公自身がその占いを受けることになっていく話です。

主人公は、

占い師が使うテクニックも熟知していて引っかからない自信はあるものの、

それでは化けの皮をはがすことはできないと考え、

自分が考えていた物語の主人公になりきって本来の自分とは違う人間を占わせる手法を思いつきます。

さて、結果やいかに…。

 

この話を読んでいて、

占い師のテクニックの確かさを体験できると共に、

小説家がいかに物語における登場人物を作りこんでいるのか

よくわかる話でした。

双方に「あっぱれ!」って感じで面白かったですね。

 

他には、1作品目の「プロローグ」も好きですね。

みなさんはどの話が気になりましたか?

Amazon.co.jp: 君が手にするはずだった黄金について : 小川 哲: 本
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終わりに

ここまで、

小川哲さんの「君が手にするはずだった黄金について

を紹介してきましたが、

いかがでしたでしょうか?

 

みなさんは三月十日のことは覚えていますか?

私は全くと言っていいほど記憶にありませんでした。

逆に三月十一日は割としっかり覚えているのに…

でも、この記憶も本当に正しいの?

と、問われたら自信はないです。

記憶って不思議ですね。

これは、2作品目の話で語られていることを

自分に置き換えて話しています。

 

こんな話がどの作品にも盛り込まれていますので、

ページ数以上の濃さを感じるかなと思います。

ぜひ味わってみてください。

 

また、本屋大賞ノミネート作品は他にも紹介しておりますので、

よかったら読んでみてください。

『放課後ミステリクラブ』↓

“ミステリ”トリオが誘うミステリー沼!子供に勧めたい推理小説『放課後ミステリクラブ』
今回は、知念実希人(作)/Gurin(絵)の、『放課後ミステリクラブ』を紹介していきます。児童書として初の本屋大賞ノミネート作品ということで手に取りましたが、それも納得の面白い作品でした。ぜひ、子供たちに紹介していきたいですし、大人でも楽しめる作品だと思ったので、年齢関係なく手に取ってもらいたいです。

 

当ブログでは、これからも

漫画や小説などの紹介記事を投稿していきますので、

楽しみに待っていていただければ幸いです。

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今回はここまで!

ありがとうございました。

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