【ショートショート】あなたはどんな物語を創作しますか?「空白小説」作品紹介

小説紹介

はい、こんにちは。キザメです。

今回は、

空白小説

を紹介していきます。

空白小説というのは、

表紙を見ていただければお分かりかと思いますが、

書き出しと結びが決まっているショートショート集となっています。

名著の冒頭の名文であったり、

日常でよく聞く言葉であったり、

そういった言葉を「書き出し」「結び」

として物語を紡いでいく形式の作品となっています。

 

それでは、始めていきましょう。

あらすじ

『空白小説』は、書き出しと結びの文だけがはじめから決まっているショートショート集です。その間の空白をどう埋めるかで、物語は予想できない方向へと展開し、書き出しと結びのもつ意味は大きく変わります。あなたは「空白」の展開を予想できますか?

本書内文章より引用

感想

この作品集は、

以下の7つの「書き出し」「結び」に対して各7作品ずつ展開されています。

  • 吾輩は猫である」-「名前はまだない
  • 蓋をして三分」-「お召し上がりください
  • 地球は青かった」-「人類にとっては大きな一歩である
  • 犯人はこの中にいる」-「私がやりました
  • 間もなく列車がまいります」-「白線の内側までお下がりください
  • 昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました」-「いつまでも幸せに暮らしました
  • 七時になりました」-「今日も元気にいってらっしゃい

 

ショートショートの作品集となるので、

長い作品でも10ページ

多くは2〜4ページで終わりますので、

お手軽に読めるかなと思います。

短い中でも、

ひっくり返されたり

ハッとさせられたり

バラエティーに富んでいますので、

ぜひ読んでみてほしいです。

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キザメの好きな作品

個人的に好きな作品を3作品簡単に紹介させていただきます。

1、「自由」

吾輩は猫である」-「名前はまだない」の1つ目の作品です。

吾輩は猫である。誰よりも自由な猫である。』の書き出しで始まります。

 

この猫が散歩していると一人の少女が駆けてきます。

猫が「にゃあ」と鳴き、撫でさせようとするが、

少女は「ひっ」と言って逃げてしまう。

不思議に思っているとだんだんと人が寄ってきて…。

 

この話は、結末の部分でひっくり返された作品です。

3ページで終わってしまうのでこれ以上は言えませんが、

この本にグッと引き込まれてしまったのは

言うまでもありません。

 

2、カップの中

蓋をして三分」-「お召し上がりください」の4つ目の作品です。

蓋をして三分間は絶対に中を覗かないこと』の書き出しで始まります。

 

徹夜で仕事をしているサラリーマンが

明け方にカップラーメンを食べようとします。

お湯を入れた後で、

「三分間は中を覗かないこと」の文言が気になってしまい、

途中で蓋を開けてしまいます。

中では小さなおじさんがたくさんいて

忙しそうに動き回っていました。

気が付くとこのサラリーマンはカップの中にいて…。

 

この作品は、

短いながらも仕事観のようなものを伝えてくれていて、

まさにハッとさせられた作品でした。

最後の言葉には背中を押してもらえた気がします。

 

3、ふたり

昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました」-「いつまでも幸せに暮らしました

の7つ目の作品です。

『「昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました

病室にやってきたミサキ先輩が話し始める。』の書き出しで始まります。

 

入院している私のもとにお見舞いに来たミサキ先輩。

ふたりは雑談をして過ごしています。

ただ、この世界は、

大気汚染が進行した世界で、

結果、人間の様々な部位に機能不全が生じやすくなってしまっていた。

その改善策として「機械化手術」が行われるようになっていた。

ミサキ先輩は右足に機械化手術を行っていて、

私も手術が必要な状態で…。

 

この作品は、大気汚染に対しての注意喚起的な話となっています。

ネタバレになってしまかもしれませんが、

この話は「テセウスの船」的な結末を迎えるので、

一見温かそうな結びなのですが、

そう見えるからこそ切ない話となっています。

 

以上3作品を紹介させていただきました。

皆さんの興味が引けたようでしたら幸いです。

この他にも面白い作品が多数ありますので、

ぜひ読んでみてください。

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終わりに

ここまで、

「空白小説」を紹介してきましたが

いかがでしたでしょうか?

 

なかなか面白い切り口の作品で、

書き出し」と「結び」は同じなのに

全然違うテイストの作品が生まれていて、

作家さん凄さをの垣間見ることができたと思います。

 

こういう切り口であれば、

誰でも物語を紡ぐことが出来そうな気がするので、

知り合い同士で「書き出し」と「結び」を決めて

物語を作りあっても面白いかもしれませんね

ぜひ、皆さんの考えたお話を聞かせてほしいです。

 

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今回はここまで!

ありがとうございました。 

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