はい、こんにちは。キザメです。
今回は、
福田晋一さんの「その着せ替え人形は恋をする」
を紹介していきます。
アニメ化もされた本作ですが、
大好きなんですよね。
夢海ちゃんの可愛さもさることながら、
好きなことに打ち込むことの背中をバンバン押してくれる感じが
いいんですよね(´▽`*)
詳しいことは後述していきますが、
オススメの作品です。
それでは始めていきましょう。
あらすじ
クラスのギャルと秘密の関係…?
いつも友人の輪の中心にいるギャル系美少女、喜多川海夢。
クラスメートの五条新菜は、彼女を“別世界の人間”だと思っていた。
雛人形の頭師を目指す新菜が、放課後被服実習室で作業をしていると、
そこに現れたのは…まさかの…!?
「あたしにコス衣装作ってくれないかな…!?」
二人のドキドキ山盛り
コスプレ・スクールライフが始まる!!
本書1巻裏表紙より引用
見どころ
おじいちゃんの影響で雛人形の頭師を目指す五条新菜は、
子どもの頃に雛人形を好きな事を否定されてからというもの、
それがトラウマになってしまい、
雛人形が好きで頭師を目指しているということを話せないでいることはおろか、
友達を作れずにいた。
一方、喜多川海夢は、常に友達といてクラスの中心的存在。
そして、好きなものを好きと通せる強さもある女の子。
新菜から見た海夢は、
自分とは正反対で決して交わることはない存在だと思っていた。
そんなある日、
家で使っていたミシンが壊れて学校の被服室で作業をしていたところ、
なぜか海夢も被服室にやってきて…。
慌てて隠そうとする新菜だったが、
ミシンが使え(雛人形の)服を作れると知った海夢は急に着替えだし、
自分で作った衣装を来てみせ、
そして、「わたしにコス衣装作ってくれないかな?」
と頼むのだった。
戸惑う新菜だったが、
海夢の真剣な様子と、
それまで聞いてきた海夢の言葉(後述します)に背中を押され、
コス衣装づくりに取り組むのだった。
この作品はもちろんラブコメなので、
新菜と海夢の関係性がどう変化していくか
という点にも注目はしていきたいところなんですが、
個人的にメインとなるのは、
自分の「好き」と向き合うことの大切さなのかなと思っています。
海夢以外にもコスプレをする人が何人も出て来るのですが、
年齢や性別、体型など色んな要因と向き合いながら取り組んでいき、
時には諦めることもありながら、
様々なレイヤーとの交流の中で解決策が見つかったりして、
できないと思っていたコスプレが
できるようになっていく過程は見ていて勇気がもらえます。
この記事では、
海夢の素敵なところに触れつつ、
好きを楽しむ上で背中を押してくれるセリフを紹介していきたいと思います。
海夢の明るさと他人を否定しない性格に救われる
先にも挙げましたが、
喜多川海夢は、常に友達といてクラスの中心的存在。
読者モデルもしていてとても明るく可愛いというかキレイというか、
とにかく華のある女の子です。
それでいて、変に周りに迎合するわけでもなく、
自分の好きは貫けるし、自分のことに限らず他人であっても
好きなものを馬鹿にする人ははっきりと
「NO!」を突きつけることのできる強い女の子でもあります。
もちろん、海夢のことが苦手というか避ける人も出てきますが、
そういう人もいるからと笑って受け止めることのできる子でもありますし、
そういう人に対しても、
一度受け入れてもらえたと思えば、
ギュンっと距離を詰めていける、
そんな強さも持ち合わせています。
圧倒的陽のパワーを与えてくれる存在…
まあ、こんなん好きになりますやん!
みなさんも海夢ちゃんの底抜けの明るさ・強さに触れてみてくださいね。
最後に海夢の印象的な言葉を紹介して終わりにしましょう!
自分の気持ちは自分の為に言わなきゃダメだよ
好きなものに男とか女とかって関係なくない?
だってそんなにたくさん衣装あるなら…大事だってハマってるって見ればわかるのに…っ、なんで捨てろとか…簡単に言えんのって…絶対許せないんですけど…うぅ〜。
麗様ってさー、姫達の夢全部叶えてあげるために自分の事全部後回しで頑張っちゃうじゃん。そんな麗様がガチで好きだし、マジで幸せになって欲しいって思うんだよね。姫達もただ、「レイをNo. 1にしたい」だけで頑張るし、『生ホス』がアツいのって皆が全部誰かのために頑張ってるからじゃん。あたしも皆のために1位になるから。てか勝てる気しかしない。だって、めっちゃこだわって、ごじょー君が作ってくれた衣装着てメイクして出るんだし、あたしは絶対1位になる。
正直言って、この↑学園祭編はヤバいです。
海夢と新菜のコスもヤバいし、
クラスメートに新菜が認知されていく過程や、
一致団結して出し物を含め成功させて1位になろうと協力し合う雰囲気は
最高の神回だと思っています。
ぜひご覧あれ!
好きなことをするのに、性別も年齢も関係ない
この作品は、もちろんコスプレがメインテーマな訳ですが、
ただ楽しいだけではなく様々な葛藤も描かれていて、
そこを乗り越えていく登場人物たちの言葉も
魅力的で非常に刺さる物が多いです。
その辺りの言葉たちも紹介していきたいと思います。
自分の好きなものややりたい事を人に言うのって怖いんですよ。勇気が必要なんです。
ジュジュとの合わせで、妹の心寿がサプライズでコスプレをしてきて、
実はコスプレをしたかったんだと気づいてあげられなかったことを
「姉失格ね」と言ったジュジュに、
新菜が言った言葉です。
新菜が言うから重みがすごいし、
これは全くの余談なのですが、
この話を読んでからというもの、
YOASOBIの「群青」が頭の中に流れるようになりました(笑)
納得してないのにやりたい事を諦めた自分を想像したら怖かったんだ。きっと僕は後悔を人のせいにしてたし,自信をつけてくれた趣味を捨てたらもっと自分を嫌いになってた。今僕は自分の事を好きでいれてるから平気だよ。だから泣かないで。
コスプレ会場で出会った姫野(♂)と仲良くなり、
身の上話になった際に
姫野が当時付き合っていた彼女に
女装を気持ち悪がられ衣装を捨てるよう言われ、
結果的に別れたって話をしたときの言葉です。
周りに合わせて自分を抑え込んで生きるくらいなら…
という強さを感じる言葉でした。
人に頼り辛いのは、相手の負担になるかもとか、嫌々やらせているのかもとか、怖かったけど、それはただ「俺が想像した相手の気持ち」でしかなくて、勝手に複雑にしていたのは俺で、もっと単純でいいのかもしれない。
学園祭での一コマです。
コスプレのアイテムの一つである「レインボーローズ」を
作ろうとしていたものの、
上手く塗ることができず途方に暮れていたところ、
クラスメートの1人が、
着色の仕方を知っていて
感謝を伝えると、
「頼られるとマジ気分いーぜ~!たまんね~!」
と喜んでいる姿を見て、新菜が感じた思いです。
この前日譚で、
クラスの出し物と衣装作りどちらも頑張ろうとしていた新菜に
クラスメートが衣装作りに専念させてくれて、
頼り頼られることの大切さを実感したところでのこのエピソードで、
新菜の成長を感じさせますし、
何より、着色に失敗したバラとこれからきれいに着色される白バラの構図が
とてもステキに感じました。
ジュジュちゃん、「見てるだけで満足」じゃなくて、「本当はやりたい」なら…「あの時やっておけばよかった」になる前にやった方がいいよ?決めつけないでやってみたら合うかもしれないし、気に入らなかったら心寿ちゃん達には謝っておくから。
サプライズで
自分が大好きなブラックロベリアのコスをしようと誘われたものの、
自分の身長や胸の大きさや顔の系統の違いから
ずっと諦めてきたジュジュは拒否します。
そのジュジュに涼香が言った言葉です。
しかも、一緒にいたミヤコのスキルにより
見事にジュジュの抱いていた悩みは解消され、
素敵なブラックロベリアになることができるのです。
何事も工夫次第でどうにかすることができるということと、
それ故に諦めるのはもったいないなということを学ばせていただきました。
好きでやりたいならいくつになっても続けていいし、始めてもいいんだよ。
先のブラックロベリアのコスプレを終えた後、
実はコスプレをやめるつもりだったと語るジュジュ。
ただ、イベントや合わせに参加することのなかったジュジュは知らなかったのだが、
世の中には全然年上の方でもコスプレを楽しんでいる人たちがいるということを聞かされ、
驚きとともに視野の広がったジュジュ。
そのジュジュに涼香が言った言葉です。
何か新しいことを始めようとするときに背中を押してくれる言葉ですね。
何をやってもダメな時や嫌な事が重なって、職場・学校・家族・友達とか上手くいかなくなっちゃったりさ、そんな時に「これがあったから助かった」って嫌な事忘れられて趣味が支えになる時があるんだよね。だから好きなものがあるって大事なんだよ。ていうか若い時しか出来ないって言うけど…人生、大人でいる時間の方が遥に長いのに楽しむ事辞めるなんて勿体ねーじゃんよ~。趣味続けるのにな~~~んにも気にしなくていいんだぜっ。
先の話の続きとして、
大人になったらやめなきゃいけない
と思っていたジュジュに向けて
ミヤコが言った言葉です。
これはまさにですね。
私自身も30過ぎてからこのブログを始めましたし、
大人になってからの方が、本を買いまくってますからね(笑)
こんな感じで、好きな事を続けていいんだよってことを
全力で後押ししてくれているような言葉がたくさん出てきます。
一歩踏み出すことに躊躇っている人は
ぜひ読んで背中を押してもらってみてはいかがでしょうか?
衣装作りの参考になる
この作品では、一から衣装を作っていくことが多いので、
素材選びを始めとして、
衣装の作り方やメイクの仕方、目の形や輪郭の変え方など
コスプレに限らず様々な所で活かせそうな話がたくさん出てきます。
作中でも触れられるのですが、
常にコスプレしたいキャラが自分の等身や体型に合っているとは限らないわけで、
そこをどう補っていくかということも描かれているので、
気軽に読める教科書的な位置づけと思ってもいいかもしれないですね。
・体型を変える方法
Bホルダー
おっぱいNEOsister
ペタ胸メーカーライト/ペタ尻メーカー
シリコンブラ
・メイク/小物系
ウィッグ
テーピング
コンシーラー
・撮影方法
この辺のことは全く詳しくないので、
ひたすらに画像を載せての紹介としていますm(__)m
ただ、工夫の仕方は如何様にでもあるんだと
勉強になりました。
まとめとして
海夢と新菜の恋模様も気にはなるところですが、
そこを脇においておけるくらい
コスプレの完成度が高く、
その過程も描かれるので勉強にもなる作品です。
きっと誰かの背中を押してくれると思いますし、
コスプレに限らず、
メイクのことや体型のことの助けにもなると思うので、
気になった方はぜひ読んでみてください。
終わりに
ここまで、
福田晋一さんの「その着せ替え人形は恋をする」
を紹介してきましたが、
いかがでしたでしょうか?
コミックスでは、
冬コミに向けて
司波刻央の『天命』に登場する「大天使ハニエル」
の衣装や化粧について考察を深めているところであります。
どんなハニエルに仕上がるのか
楽しみですね~(*´▽`*)
当ブログでは、これからも
漫画や小説などの紹介記事を投稿していきますので、
楽しみに待っていていただければ幸いです。
また、このブログの他に
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をあげたりしているので、
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Tweets by kizame2727今回はここまで!
ありがとうございました。
追記①12巻発売
2023年9月25日に12巻が発売されました。
「自分の情けなさを認めて今どうするかを考えろ!!」
新菜に職人の資質を見た気がします。
自分の思い描く理想形を追い求め、
完璧な作品を作るべく苦悩する姿は、職人そのものだと思いました。
おじいちゃんが海夢にお願いしたように、
新菜の作った作品を褒める人がいなかったら、
きっともっと早い段階で新菜は潰れていたことでしょう。
そういう意味で見ても、
海夢と新菜の相性は運命的なのではないでしょうか?
読み終わったばかりだというのに続きが気になって仕方ない
それにしても、『天命』読んでみたいんだが!
追記②13巻発売
2024年5月24日に13巻が発売されました。
五条の作った衣装がすごいのは、
他の人たちの反応を見れば伝わってきますが、
今回は海夢よ…。
そりゃ、「虜にさせるように振る舞ってください」
と五条に言われたけど、
ここまで入り込めるものなの?
もちろん私たちは、
『天命』を読んだわけじゃないけれど、
その場にいたかのように鳥肌が立ってしまった(;゚Д゚)
五条が気づいてしまった感情と、
後に溝上が言った「可哀想に」の言葉の意味…
2人の関係性は元より、
2人のコスプレ活動に良き影響が出てほしいと願うばかりです
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