【汝、星のごとくの続編】結婚、家族、愛について考えさせられる作品『星を編む』

小説紹介

はい、こんにちは。キザメです。

今回は、

凪良ゆうさんの「星を編む

を紹介していきます。

 

みなさんご承知だとは思いますが、

この作品は、2023年の本屋大賞受賞作品である、

「汝、星のごとく」の続編となっております。

「汝、星のごとく」、素敵な作品でしたよね。

 

今回紹介する「星を編む」はその続編として

3つの物語が描かれています。

気になっている方も多かったであろう、あの人の過去や

「汝、星のごとく」のその後が描かれていますので、

「汝、星のごとく」読者にとっては流涎ものの作品となっていますので、

ぜひ読んでみていただきたいです。

 

それでは始めていきましょう。

あらすじ

☆2023年本屋大賞受賞作 シリーズ最新作☆
第20回本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』続編

 

花火のように煌めいて、
届かぬ星を見上げて、
海のように見守って、
いつでもそこには愛があった。

ああ、そうか。
わたしたちは幸せだった
のかもしれないね。

『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語

Amazon商品ページより引用
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見どころ

本作は3つの物語で構成されています。

「春に翔ぶ」

北原先生とその恋人、そして結ちゃん誕生のお話は、

本編では深く語られていなかったので、

色々「?」が多かった関係性でしたが、

その「?」が解消される話でした。

 

恋人の将来を守ろうとした明日見さん(結ちゃんの実母)の強さも、

明日見さんとその子供を守ろうとした北原先生の優しさ

グッとくるものがありました。

ただ、

タイミングが少しずれていたら三者三様に全く違った人生を送っていたんだろうなと思うと、

少し悲しい気持ちにもなってしまいますね。

「星を編む」

櫂を担当した編集者である植木さんと二階堂さんの話は、

仕事と家庭のバランスについて考えさせられる話でしたね。

 

気のおける存在だからこそ、

後回しにしてしまい、

相手は理解のある存在でありたいからグッと飲み込む…

そうして気付かぬところでこじれていってしまっていく。

そんな仕事に生きる人たちの悲喜交々を体験できる話でした。

 

個人的には、子づくりについて夫婦で話し合う場面において、

女性が欲しがるが仕事の忙しい男性がなんやかんや避けていく

というのがイメージとして浮かびましたが、

この話の中では男女が逆転していて、

なんだか新鮮な気持ちで読みました。

それと同時に、

自分の中にまだ、男はこう!女はこう!みたいな固定観念があるんだなという気づきにもなりましたね。

本書のタイトルにこの2話目のタイトルを持ってきたのも、

凪良先生が一番伝えたいことはここにあるのかなと思ったりもしました

北原先生の過去の話と暁海と北原先生のその後の話、

そこに挟まるこの話は、

仕事観、家族観、男女観などなど、

色んな事を考えるきっかけとなりそうな話でした。

「波を渡る」

最後の暁海と北原先生のその後の話は、

例え利害の一致での結婚だったとしても、

お互いを大切にしてきた先に芽生える想いはあるんだな

というのを感じましたし、

その中で育った結ちゃんも素敵な女性に育ちましたね。

 

ただ、

何年経とうとも、花火のたびにフラッシュバックする「あの夏」の光景と櫂…。

ここまで愛し合えた存在と出会えたかけがえのなさとともに、

今ある幸せが溶け込んでいく描写の美しさはとても印象的で、

多分、

この先花火を見るたびにふとこの情景が浮かんでくるんじゃないかなと思いました。

 

全編を通して思うのは、恋愛だの結婚だのっていうのは、

どこまでいっても難しく、なかなか思うようにはいかない

でもかけがえのないものなんだなってことですね。

素敵な作品でした(*^▽^*)

 

最後に、個人的に印象に残っている言葉を紹介して終わりたいと思います。

出産でキャリアを中断させたくないっていう絵理ちゃんの気持ちは無視しちゃいけないものだし、そもそもぼくは仕事をしている絵理ちゃんを好きになって結婚したんだから、いまさら仕事を辞めろなんて勝手だよね?

(中略)

毎回繰り返し言っているけど、出産で身体にも気持ちにも負担がかかるのは女の人のほうだ。だから子供を産む産まないの選択権はぼくじゃなくて絵理ちゃんにあるべきだ。でもそれと並行して、ぼくは自分の子供を持ちたい。このふたつの話は同じように見えて実はちがう。これは、ぼくたちのそれぞれの自由と権利の話。ぼくは自分の自由や権利を侵されたくないし、他人のそれも尊重したい。ぼくは間違ってる?

(中略)

この問題について、ぼくは随分と長く待ったつもりだよ。でも絵理ちゃんの答えは変わらなかった。その間にもぼくは年齢を重ねていく。女の人ほど切実ではないかもしれないけど、男だって子供を持つことのタイムリミットは考えるよ。できれば仕事が現役のうちに、定年退職する前に子供を成人させたい、落ち着いて老後を迎えたいとか

作中より引用

これは、「星を編む」の作中で、

編集者である二階堂さんとその夫との間で交わされたやり取りを抜粋したものです。

このやり取りは、自分の中ではかなり刺さりましたね。

 

どんなに自分のことを理解してくれていて

どんなに自分のやりたいことをやることを許してくれていても

そこには何かしらの我慢が介在しているわけで、

そこに目を向けず、居心地の良さに甘えていると

膨れてしまった不満の種が突然牙をむいてくるというのが

痛いほど伝わってきました。

まあ、その後判明した夫の行動には、

さすがにどうなんだい?それは…

と思ってしまいますが、

ちゃんと向き合うことの大切さを感じるやり取りだったので紹介させていただきました。

別の編集者である植木の家庭でも近しいやり取りがあるので、

本当にこの「星を編む」は考えさせられましたね。

https://amzn.to/3PT71SV

終わりに

ここまで、

凪良ゆうさんの「星を編む

を紹介してきましたが、

いかがでしたでしょうか?

 

「汝、星のごとく」の続編として、

知りたかった過去を読めたとともに、

仕事や家庭といったことについて考えさせる作品でした。

 

この作品単品でも、楽しめるかもしれませんが、

やはり前作も読んでからの方が、

人間関係がよくわかるかなと思いますので

ぜひとも、前作「汝、星のごとく」も読んでいただきたいです。

こちらに、「汝、星のごとく」の紹介記事を貼っておきますので

よかったら読んでみてください。

【自分の人生を自分の意思で生きる】親や社会に縛られた男女の15年の愛の物語「汝、星のごとく」
今回は、凪良ゆうさんの「汝、星のごとく」を紹介していきます。直木賞候補作であり、本屋大賞ノミネート作品でもある本作ですが、読んでみて自分を生きるってこんなにも単純ででも難しいものなんだなと改めて感じさせられました。最後は涙が止まらなかったです。ぜひ読んでみてください。

また、本作は本屋大賞2024にノミネートされています。

他のノミネート作品も紹介していますので併せて読んでみてください。

自分の生い立ちや自分が何者であるかの保証がある人生に感謝したくなる作品『黄色い家』
今回は、川上未映子さんの「黄色い家」を紹介していきます。本屋大賞ノミネートをきっかけに手に取った作品ですが、実に重苦しい雰囲気の作品で、読んでいくうちに自然と自分の境遇に感謝したくなってしまう話でした。ぜひ読んでいってください。

 

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